私も人生で3度ほど経験がありますが、ここまでコンプライアンスが問われる時代においてもまだまだパワハラはなくならないようです。
事業主さまは、意図せず加害者とならないように十分にお気をつけください。
パワハラ事例(私のパワハラ履歴書)
私は人生で、物凄い理不尽パワハラに3度遭遇したことがあります。以下にまとめますね。書いていて当時を思い出し若干、胸が苦しくなりました😢
一度目 (21歳) |
男性ばかりの不動産仲介営業:当時30代後半から40代前半のおっさん事業所長から猛烈なパワハラ被害。 何も悪いことをしていないのに、突然大声でヤクザ口調で意味もなく怒鳴る。人格否定。「女なんだから率先して気を使え」と事あるごとに虐めてきます。因みに、男性4人と私の5人の事業所で、私は売り上げナンバーワンでした。しかも!朝8時から深夜2時まで働かされ(車の運転と雪かき等の肉体労働あり)、食事をとる時間なし。160㎝50㎏から一か月で6㎏痩せて44㎏になりました。 |
---|---|
二度目 (31歳) |
自分の親が代表のお店:当時40代後半の父の弟の後妻(現在は離婚)から猛烈なパワハラ被害。 笑顔で挨拶しても無視され、大声で突然喚き散らしたり、電話をしてきて喚き散らす。「あんただけ特別扱いはしない。」だとか、自分が挨拶を無視しておきながら「挨拶ないなんていつからそんなに偉くなったのさ」「店のお金取ってるだろ」みたいに、ありもしない妄想で、大声で怒鳴る等。因みに私はそこの役員でもなく、単なる臨時のお手伝いさんでした。 |
三度め (38歳) |
某上場企業:私と同世代(1973年)の当時38歳の役員から猛烈なパワハラ被害。突然大声で怒鳴ったり人格否定をする。理由を聞いても「おまえの胸に聞いてみろ」などと理由を言わずに怒鳴り続ける。私は営業成績は上位でした。 |
上記の三人に共通するのは、こちらにミスや怠惰、成績不振など、なんの落ち度もないのに、突然、大声で怒鳴る、喚く、人格否定です。年齢的に40代中心で、全員、結婚してお子さんいらっしゃいましたね。
今になって思えば、精神疾患の一つ、間欠性爆発性障害(かんけつせいばくはつせいしょうがい)を患っておられたのかもしれませんね。いずれにせよ、こんな奴等は、令和なら逮捕案件やろ( `ー´)ノ 今の私ならゼッタイに許さん!怒
間欠性爆発性障害(かんけつせいばくはつせいしょうがい、英語: Intermittent explosive disorder)は、脳の交感神経で感情が上手に調節されないために理性喪失し、頻繁に状況・誘因に見合わない罵声など言語暴力・破壊や傷害など物理的暴力を行う反復性衝動制御障害の一種。DSM-5の「破壊的、衝動調節、および行動障害」カテゴリに分類されている。別名は憤怒調節障害である。
私も経営者となり、何度言っても同じミスを繰り返す方、ありえないミスをする方など見てきましたし、スタッフ側に非があり、ついつい感情的になってしまう気持ちもわかるんですね。しかし、スタッフ側に非が全くなくても、パワハラはあるんです。
スタッフ側に非があっても、なくても、汚い言葉で罵ったり、人格否定をするのはいけません。仕事に夢中になるあまり、意図せず自分が加害者になってしまうこともあるでしょう。経営者や役職者は、自分がパワハラの加害者になってしまう可能性もあるのだという認識を持つことが大事だと思います。
パワハラに遭いやすい人はこんな人!?
小学校・中学校の時に虐められていたこともありましたし、上記で述べたとおり、パワハラにも3度も遭い退職へ追い込まれてしまいました((+_+))・・・
私はまじめで一生懸命で謙虚な振る舞いをしていたと思います。
では、なぜ、いじめられたの?
今になって思うと、嫌なことをされたり言われたりしても「NO」と言えない人間でした。それどころか反射的に「笑顔」を見せてしまったり。
ですので、私的には、NO!NO!NO!と言う事がなにより大事だと思うんです。
当時の私は法律なんて全くわからず、というか、弁護士さんなんて敷居が高すぎて、法律事務所や弁護士さんは「怖い」存在でした。
現在のようにインターネットが普及するまえは、法律に関する情報を簡単に入手することもできなければ、パワハラなんて言葉も存在すらしない時代です。弁護士さんや法律事務所も今のように身近な存在ではなかったですよね😢
因みに、ネットが普及し出したのが私が29歳の頃だと記憶しています。
当時の私は、理不尽なパワハラにあっても「実家の親が病気になったので辞めます」とか「子宮の病気になったようなので辞めます」と嘘をつき、自分に非があるように装って(本当はパワハラのせいなのに)辞めていました。
経営者になって、法律というものを知れば知るほど、当時の自分がいかに「損」をしているか気づかされました。
しかも相手はお金も社会的地位もある「法人」です。証拠さえ押さえておけば、自分(スタッフ側)に落ち度がない理不尽なハラスメントであれば、会社存続のために、お金を払わないわけにはいかないでしょう。いや、たとえスタッフ側に落ち度があったとしても、パワハラは犯罪にもなり得ますし、違法行為です。
昔の私のように、理不尽なパワハラに耐えて、しかも、自分ばかりが「損」している人には、絶対に弁護士に相談して!といいたいです。
・・・とういうわけで
私が過去の経験からまとめた私流のパワハラ対策に、弁護士さんからダメ出しをしてもらいましたので参考にされてみてください。
3度のパワハラ経験に基づく”私流”パワハラ対策
①まずは、NO!と言う
人格を否定される言葉や大声での恫喝をされた時点で、まずは「NO」と言う。「自分が悪かったのかな」と我慢したりする必要はありません。逆にそのことについて「謝罪」させてください。「人格否定」や、恐怖で煽る行為は許さないというスタンスを示す必要があります。
②本社に電話
会社の規模がある程度大きいなら、本社にも電話します。(本社にも相談したが改善されなかったという証拠を裁判を見据えて確保するためです。
③録音・録画
パワハラは突然やってくるので、難しいと思いますが、録音や録画ができるならやってください。裁判では自分の言い分より「客観的な証拠」です。
④本社とパワハラ上司にメールする
文書での証拠を残すため、本社やパワハラ上司に宛て、パワハラに遭った事実をメールで送りましょう。必ずいついつまでに回答するように書き添えておきましょう。
⑤医師から診断書をもらう
動悸や下痢、憂鬱な気持ちなどになったら病院に行って事情を話して診断書をもらっておきましょう。
⑥勇気を出して法律事務所に相談してみる
弁護士さんに相談しましょう。会社員の方からすると「弁護士さんに依頼するなんて、お金がかかるし・・・・」と思うかもしれません。
しかし、過去の私のように、理不尽なパワハラに遭って、自分に非がないのに、「実家の親が病気で・・」などと、遠慮ばかりしている性格だから嫌な奴をつけあがらせているのです。
そして、いつまでも法律に無知なままだから、同じ過ち(理不尽なパワハラに遭ったのに、自分だけ損するカタチで会社を辞める)を三度も繰り返したのです。
弁護士さんとの出会いや裁判の経験は、あなたを強く賢く人生をよりよいものにすると私の経験から自信を持っていう事ができます(当たりはずれあるかもだけど・汗)
弁護士の回答
パワハラは、厚生労働省によると、「職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるもの」とされています。
パワハラの定義 |
①優越的な関係を背景とした言動 |
②業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの |
③労働者の就業環境が害されるもの |
パワハラにあたるかどうかの判断については、様々な要素が総合的に考慮され、仮に労働者側に問題行動があった場合であっても、人格を否定するような言動などはパワーハラスメントにあたりえます。
「これってパワハラじゃない?」と思ったらどうしたら良いかについては、①に記載のあるように「NO」ということが一つでしょう。
ただその場でパワハラをしてきた人にNOと言えない場合もあると思います。
また、毅然とした態度そのものがパワハラの予防になるのは間違いありませんが、もしかすると、状況によっては「その場で謝罪させる」というのも難しいかもしれませんね。
そこで、パワハラを受けたと思ったら会社のハラスメント窓口に相談したり、会社のハラスメント窓口がないとか、機能していないと思われる場合には、労基署の相談窓口にご相談することも可能です。そしてなるべくタイムリーに、早めに動くようにしましょう。
法律相談でも意外に多いのですが、パワハラされてから1年後にようやくご相談に来た、という方もいます。時間が経ってしまってからだと、自分も記憶が曖昧になったり周囲も記憶していないなどにより、解決が結局困難になってしまいます。
パワハラは上記のように「総合的に考慮される」という点がポイントです。
例えば、状況によっては、部下から上司へのパワハラというケースもあり得ますし、同じ言動でも状況によってパワハラになるかどうか争いになる可能性もあり、パワハラを訴えれば必ず主張が通るとは限りません。
そのため、実際にパワハラだと主張していくならば、証拠によって裏付けできるようにしていくことも重要だと思います。ですので、③についてはそのとおりですね。
この証拠収集についてですが、可能であればなるべく多く録音や記録をするようにしましょう。特に録音は、せっかくとっていただいても、誰が喋っているのか、いつの出来事か、などがわかず、使えないものも多いです。一連のやりとりを記録するなど、全体の状況が後で把握できるようにしてください。
また、④にあるように、上司や会社との交渉の経緯を記録に残すように動くことも有益な資料収集の一つです。パワハラを受けたとして会社に対して損害賠償請求を行う、という際には、会社の対応も要素の一つになります。
⑤については、被害の度合いを示す証拠になりますし、何より、体に変調をきたすほどの被害を受けているのであれば、ご自身の精神のケアのために通院されることをお勧めします。
⑥について、弁護士に相談するなんて・・と思われている方も多いようですが、ぜひ弁護士の相談もご活用されてみてください。上記のように、パワハラは「これがあれば必ずパワハラ」というものではなく、複数の要素を総合考慮して判断されていきます。
そのため、なるべく早い段階でご自身の個別具体的な状況に応じて最適なアドバイスを受けておくのは必須だと思います。パワハラは、それにより損害が生じているという場合、それ自体交通事故と同じように、加害者に対して損害賠償請求を行うことができます。
また、会社はパワハラをなくして、従業員が皆安心して働く環境を作る義務があると考えられますので、パワハラを防止、是正しなかった会社に対して損害賠償請求をすることも可能です。
弁護士への相談は、身近に弁護士がいなかったりすると、おっしゃるようになかなか難しいイメージがあるかもしれませんね。でも、弁護士から見ると、もっと早くきてくれれば!ということも多くありますので、気軽に活用いただくと良いと思います。相談だけであれば数千円とか、中には無料のところもあります。依頼するかどうかは費用対効果を考えて決めていけばよいので、まずは相談に行ってみることをおすすめします。
厚生労働省:パワーハラスメントの定義について
記事監修|峯岸優子 弁護士
(第二東京弁護士会所属)
埼玉県出身・早稲田大学卒業
弁護士業務の傍ら、ご自身も、オンラインサロン・経営者コミュニティ・ヨガ同好会を運営されている起業家でもあるため、同じ経営者目線で経営者の気持ちに寄り添ってくださる、頼りになる先生です。
峯岸優子弁護士の詳細情報
弁護士峯岸優子ドットコム