心理カウンセリング的なサービスを考えています。
一回10,000円ほどのオンラインのサービスなのですが、全6回コースみたいにして一括で回数券を購入いただくと、割安になるコースを考えています。忘れたころにこられても困るので、有効期限は6月にしようとおもっています。
ここで心配になるのが、確か、英会話やエステの回数券は、通わなかった分の返金を求められると特商法だったか、クーリングオフだったかの関係で返金に応じなければならないと何かで見た事があります。
Q1オンラインでの全10回の心理カウンセリングや、オンラインでの全10回のプログラミングコースなども、英会話やエステのように、通わなかった分の返金を求められると返金に応じなけれなならないのでしょうか?
こちらとしても、そのお客さまのお席を確保しているわけなので、都合でいけないから返金してくれは困ってしまいます。
オンラインで回数券を有効期限つきで販売するときの注意点など知りたいです。
Q2 「特定継続的役務提供」に「パソコン教室」がありますが、プログラミング、HP制作、動画編集などのWEB系の教室は、「パソコン教室」となりクーリングオフの対象になるのかもわかりません。
Q3 医師や弁護士さん、心理士さん、美容師さん、栄養士さんなど、あらゆるご職業の方が、オンラインでのコンサルティング的なサービスをご希望されます。そこで一つ疑問なのが、“教える系のサービス”は、見方を変えれば、「特定継続的役務提供」の、家庭教師や学習塾に該当するのでは?という疑問です。
Q4 コンサルやカウンセリング、プログラミング教室を、オンラインで回数券を有効期限つきで販売するときの注意点を知りたいです。
特定継続的役務とは?
これら指定役務については、たとえ店頭での契約であっても、書面の交付やクーリングオフなど消費者保護の規制がかかります。
なお、指定役務は現在7種類あり、このほかにはパソコン教室や結婚紹介サービスがあります。ご質問の心理カウンセリングについては、上記特定継続的役務にはあたりません。
ネットでの申し込みは注意が必要
ただ、インターネットで申込みをする場合は、特定商取引法上、別カテゴリーの通信販売としての規制を受けます。通信販売は、消費者トラブルが(訪問販売などと比べてですが)相対的に少ないと考えられています。
これは、訪問販売などのように、対面でクロージングを受けてついつい契約してしまうことがあるのと異なり、通信販売では、消費者が広告を吟味して、自らのタイミングで申し込みできると考えられるからです。
全10回のオンラインカウンセリングは、クーリングオフの対象か?
そのため、通信販売には、書面交付義務がなかったり、クーリングオフも定められていません。したがって、ご質問のオンラインでの全10回の心理カウンセリングについては、特定商取引法上のクーリングオフの規制はありません。
ただし、特定商取引法上の広告規制などの各種規制のほか、消費者契約法や民法の適用はありますので、適切な説明を行うなど各種ルールにしたがった契約を行う必要があることは当然です。
検討されているように、10回の有効期限を6ヶ月とするのであれば、特定商取引法上の広告規制として、役務の提供の期限の表示が求められていますので、6ヶ月以内が提供期限であることを広告に記載する必要があります。
プログラミング教室は指定役務になるのか?
これに対して、プログラミング教室については、原則として上記指定役務のパソコン教室に該当すると考えます。一定の手続きを経た事業者については適用除外にされるケースもあります(平成25年12月25日経済産業省NewsRelease参照)が、詳細は弁護士に相談するなどしてください。
ビジネスコンサルも指定役務の「学習塾」になるのでは?
Q3のようなおよそ「教える系」のビジネスは学習塾などに該当するのではないか、という点についてですが、特定商取引法の規制対象となる学習塾や家庭教師というのは、学校の入学試験に備えるため又は学校教育の補修のための学力の教授などと限定されています。
この言葉の意味に照らすと、ご質問にある医師などの事業者に対するビジネスコンサルティングは、一般的にはこの学習塾等には含まないと考えて良いのではないかと思います。
記事監修|峯岸優子 弁護士
(第二東京弁護士会所属)
埼玉県出身・早稲田大学卒業
弁護士業務の傍ら、ご自身も、オンラインサロン・経営者コミュニティ・ヨガ同好会を運営されている起業家でもあるため、同じ経営者目線で経営者の気持ちに寄り添ってくださる、頼りになる先生です。
峯岸優子弁護士の詳細情報
弁護士峯岸優子ドットコム